孤道 完結編・金色の眠り/和久井清水/あらすじと感想

孤道 完結編 金色の眠り (講談社文庫)

 

未完の小説だった孤道の完結編が、「孤道」完結プロジェクトを経てついに完成!

単行本ではなく、文庫本というのがあれれ?って気もするけど、まぁ中身には関係ないか--。

「孤道」を読んだのは1年以上前になるので、記憶がうっすらとなりかけてはいたけど、違和感なく完結編を読み終えることができた。作者さん、大変だったろうな〜〜完結ありがとう!

 

 

あらすじ

 

殺された鈴木義弘の祖父・義麿が若い頃に綴ったノートを託された浅見光彦はノートに没頭して行く。そこには事件に繋がる記述が記されていた。

 

義弘の会社の社員・松江が社内で殺され、義麿ノートに記された森高教授の死因と同じ毒薬で殺害されたことに浅見が気づく。浅見はまた、鎌足公の棺から無くなった香炉のありかもつきとめる。

 

香炉をめぐって繰り返される悲劇、義麿の時代から、息子・清吉、孫・義弘に至る時代の中で、彼らに関わった人々の家族、新たなる殺人と悲劇の連鎖。

浅見の鮮やかな推理により事件の真相に迫っていくのだった。

 

 

 

孤道 完結編 の感想

 

「孤道」から完結編まで間があったので、登場人物があやふや。義麿ノートに登場する人物から現代の孫世代まで、登場人物が多いので「あれ?この人は誰だっけ?」と思うことしばしば。

完結編では、最初に登場人物を書いていて欲しかったなーと思った。

ということで、登場人物のおさらい。

 

浅見光彦・・・「旅と歴史」に執筆するフリーのルポライター

鳥羽映佑・・・浅見の大学の後輩。大毎新聞田辺通信部の記者。

鈴木義弘・・・田辺市役所に勤めていたが、父の急逝で家業の不動産業を引き継ぐ。

鈴木真代・・・義弘の妻。田辺市役所の広報課に勤務。

竹内三千恵・・・小料理屋「浜屋」のアルバイトの後、藤白神社の巫女となる。

松江孝雄・・・鈴木の会社・八紘昭建の経理社員。会社内で殺害される。

大谷隆・・・藤白神社の宮司。義弘が祖父・義麿から託された遺品「義麿ノート」を預かる。

時岡功一郎・・・京都大学考古学教室教授。千尋の夫

時岡昭治郎・・・功一郎の息子。考古学教授。

柿崎智之・・・柿崎泰正の息子。

 

※義麿ノート(昭和6年中学生〜平成16年頃)に登場する人物

鈴木義麿・・・戦前の中学生時代から70年以上にわたり日誌(義麿ノート)を記入する。

鈴木清吉・・・義麿の息子。

森高露樹・・・京都大学理学部教授。地震学者。13歳の義麿を指導するようになる。

森高千尋・・・森高教授の娘。義麿の初恋相手。

竹島伸吾郎・・・地震観測所の工事に携わった作業員・人夫の人夫頭。「竹さん」と呼ばれている。

竹島勇一・・・伸吾郎の息子。伸吾郎の葬儀の際に義麿は会話を交わす。

山村・・・京都大学考古学教授

柿崎泰正・・・考古学者。義麿と意見が対立する。時岡巧一郎の弟子。

藤本キヨ・・・露樹の従兄妹。露樹が子供の頃、ある事件がきっかけでキヨの家に引き取られ過ごす。

千代子・・・キヨの孫。露樹は初恋相手で、その後文通を続ける。

 

ノートに登場する人物のうち現在も登場しノートと重複する人物もいるが、概ね上記の人物が登場する。

 

「孤道」のあとがきで内田康夫は、”ノートを通して一人の若者の成長過程を描ぎたいという思いがありました。”と書いている。

 

この思いを引き継いで完結編へと繋がっていくわけだが、そういうわけだからかどうか?ノート部分の分量が非常に多い。

 

義麿、清吉、義弘という3代に渡っての考古学をめぐるミステリーが続くわけだが、現代と区別するために書体も変え、旧かなづかいで書かれてあるため、ちょっとばかり読みにくい。(うんざりして飛ばし読みした部分もある、笑)

 

完結編になると突然新しい登場人物が次から次へと出てきて・・・未完の「孤道」にはいなかった人物がわんさかと・・で、犯人は完結編で登場し、未完篇を読んでいても絶対に分からない結末になっている。一人だけ共犯者が登場してはいたけどね・・

 

 

未完の孤道で内田氏は、

松江は殺される。義麿と千尋は結婚させよう。序幕に有間皇子を出したので、終幕にも登場させるという攻勢を取るか。最大の難物はそもそもの発端だー。

と書いている。

 

しかし、義麿と千尋の結婚は成就しなかった、成就しなかったゆえ、悲劇がより大きくなったといえるが・・

 

悲劇の皇子として知られる有間皇子の墓がある藤白神社、その敷地内にある鈴木屋敷。森高、義麿、千尋は一緒に牛馬童子を見に行こう、熊野古道を一緒に歩こうと約束したが、その約束は果たせなかった。

 

ラスト、浅見は彼らの約束を成就すべく、2泊の山登りを決行する。

 

私の中の浅見のイメージは水谷豊サンで、なんとなくひ弱なイメージ。なので、山登りをする浅見に違和感を感じてしまうんだがねーー。(その後の俳優さんはそうでもないかー)

 

 

「孤道」完結プロジェクトの最優秀賞となった本作は、受賞時「孤道〜我れ言挙げす」のタイトルとなっている。

 

言挙げ(ことあげ)

神の意志に背いて特別に取り立てて述べること。言挙げに誤りがあると、命を失うことにもなるので、タブーとして慎まれていた。神の意志を受けて行動するのが古代日本人の態度であり、言挙げは神の意志を越えたり、神の意志に背くことになるのである。

國學院大學デジタル・ミュージアムより)

 

清吉は間違った言挙げをした。だから呪われて死んだー清吉の友人・芳沢がつぶやく。

犯人に騙され、無実の父親を告発した清吉。精神的に追い詰められ車の事故で亡くなってしまう。義麿は「呪いだ」と呟く。

 

鎌足公の墓を証明するため、X線写真を撮ったり、それ(つまりは金の香炉)を持ち出したりと、神の意志に逆らった行動をした者たち。そして神の呪いだと怯える。

 

いくら考古学が好きだといってもさー、やっちゃいけないことはあるでしょ! と言いたいが、のめり込んでしまえば後の祭り。代償はあまりにも大きいよねー。

 

 

>>孤道 完結編 金色の眠り (講談社文庫)

>>孤道 (講談社文庫)

 

>>「未完の小説・孤道」のあらすじと感想はこちら

 

 

 


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